EC統合機能においてSNS間の競争が激化
SNSは新たなショッピング機能を展開し、成長するeコマース業界において利益を得ようとしています。本記事では、代表的なSNSが企業や消費者にどのようにショッピング機能を提供しているのかを説明していきます。
eコマースの進化は目下進行中で、過去1年間の素晴らしい業績がそのことを証明しています。マッキンゼーの調査によると、eコマースの成長はこの1年間だけで10年分早まったとされています。より多くのブランドが大挙してデジタル分野に参入するにつれて、オンラインプラットフォームもそのニーズを満たすべく、対応を加速させているのです。SNSも例外ではなく、新たなeコマースの機能開発と立ち上げに向けて取り組みを強化しています。
未開拓分野として急速に注目を集めているSNS
近年の消費者は、オンラインショッピングをする際にSNSを利用することが増えています。SNSの役割は単にブランドの認知向上に留まりません。SNSは消費者に広く受け入れられるようなオンライン店舗に変貌しています。Sprout Socialによると、現在90%の人がSNSでフォローしているブランドから商品を購入しているそうです。こうしたデータを見てもSNSのeコマースシフトが進む理由が分かると思います。
たしかに、ソーシャルコマースの利点は参入障壁が低いことにあります。しかし、ソーシャルコマースの利点を考える際に無視できないのは、同じような興味・嗜好を持った個人のコミュニティができることです。SNSは、より関連性の高いコンテンツ、消費者からのフィードバック、およびエンターテインメント性のあるコンテンツを提供することで、ユーザーの購買行動を促してくれます。そしてSNSを活用する小売事業者は、その商品を気に入って買ってくれる可能性のある特定のセグメントに照準を合わせて、マーケティング活動を実施することができます。
ソーシャルコマースは長期的なトレンドになるでしょう。その市場規模は2020年に約4,750億ドルに成長し、2028年までに3.37兆ドルの産業になると予想されています。現在、小売事業者は競争の先頭を走り続けるべく、ソーシャルコマースからの利益を最大化していかなければなりません。このためCafe24は、オンラインでのプレゼンスと戦略の強化を図る企業をサポートしてくれるSNSの情報をまとめています。
Facebookはソーシャルショッピングに注力
Facebookは、近年のeコマースへの参入で素晴らしい成功を収めています。リリースから1年も経たないうちに、Facebookのeコマース機能であるFacebookショップは、月間100万を超えるアクティブな小売事業者と2億5,000万を超える消費者を獲得しました。Cafe24は、eコマースにおけるソーシャルの可能性を早い段階で認識していました。 Facebookとのパートナーシップにより、Cafe24のDirect-to-Consumer(D2C)ブランドのストアとFacebookショップをスムーズに統合し、小売事業者の販売チャネルと売上を拡大させているのです。
また、FacebookはLive Shoppingの機能でライブコマースの機会提供を強化しました。この機能を利用することで、小売事業者はライブ配信により、消費者にリアルタイムで商品を販売できます。企業は自社の製品を紹介したり、消費者の質問にその場で答えたりできるのです。Live Shopping機能を使うことで、Facebookショップから直接商品を掲載させ、消費者が欲しいものを簡単に購入できるようになります。また、Facebookはいくつかの国において、eコマース促進の手段として独自の決済方法であるFacebook Payを開発し、導入しました。
こうしたeコマースの取り組みはFacebookのグループ内にも拡大しています。例えば Instagramは、Instagram Shopping、Checkout、短時間のビデオ機能であるリールなど、過去数か月にわたって重要なアップデートを実施してきました。 また、WhatsAppはショッピングボタンを追加し、近い将来アプリ内で商品の購入及び支払いまで実施できるようにする予定です。
メッセージ機能は、Facebookのオンラインショッピングへの戦略転換の肝です。同社はInstagramとMessenger間でチャット機能の統合を開始しました。CEOのマーク・ザッカーバーグは、2020年第3四半期の決算発表で、Facebookショップを起点として、メッセージ機能を中心に展開するeコマースプラットフォームを構築することを目指すと述べました。
加えて、マーク・ザッカーバーグは「私たちはビジネスメッセージ機能を中心に多くのツールを開発しています。これによりメッセージを通じて、フォローアップや商品の購入、サポートを受けられるようになります。」と述べています。
TikTokもeコマースに挑戦
ショートビデオアプリのTikTokは、2021年にeコマースとの統合に向けて、積極的に取り組んでいます。中でも注目すべきは、アフィリエイトマーケティングを加速させるツールです。この機能により、人気のあるTikTokユーザーは彼らがシェアする商品リンクから手数料を稼げるようになります。つまり、TikTokを通じて、スムーズに収益を得ることができるのです。この機能を強化するためにTikTokは、ブランドがアプリ内で商品カタログを掲載できるようサポートする予定です。
この計画には、商品の購入が可能な動画広告とライブコマースに焦点を当てた機能の拡充も含まれています。TikTokでのライブコマースでは動画再生中に、商品に関するポップアップが表示され、視聴者はその放送ページから直接注目の商品を購入することが可能になります。
TikTokは、ソーシャルコマースのトレンドに乗るために業界の主だったプレーヤー達とコラボレーションしています。Cafe24はTikTokと提携し、D2Cのマーケティングチャネルを150か国以上に拡大しています。 TikTokはまた、自社のeコマースにおける競争力を強化すべく、ウォルマートおよびShopifyとのパートナーシップを結ぶために動いています。
YouTubeもeコマースに戦略の目を向ける
Googleはeコマースへ注力する際、YouTubeに着目し、Youtube Shoppingをテスト運用しています。これは、クリエイターがインフォマーシャルの仕組みと同じように、動画に商品の詳細を追加できる機能です。消費者はショッピングバッグのアイコンをクリックして、注目のアイテムを表示し、直接購入することができます。以前よりGoogleはYouTube動画内に商品のタグ付けをすることのテストを行ってきました。
すでにCafe24のマーケティングパートナーであるYoutubeは、D2Cプラットフォームの統合をテストしています。 Google Merchant Centerと動画アクション広告などのYouTube広告サービスの間で、ブランド、クリエイター、消費者をつなぐ方法を検討しています。また、YoutubeはTikTokやリールの競合となるYouTube Shortsを立ち上げました。
続々とeコマースに注力するプラットフォーマー
eコマースで利益の最大化を図っているSNSはFacebook、TikTok、YouTubeだけではありません。Pinterestは昨年、スタイルガイドやボード、検索、ピンからのショッピングなど、多数のショッピングツールを追加しました。PinterestはARトライオン機能で拡張現実の領域にも着手しています。
Twitterもまた、より多くのEC事業者を囲い込もうとしています。その一環として、Twitterカードに、商品名や価格、Shopボタンを表示するといったショッピング関連の実験を開始しました。このショッピング機能を設けたTwitterカードは、
eコマースにおけるオーガニックツイートのテストの役割を担っています。
中国のWeChatは、eコマースに焦点を当てた「ミニプログラム」で成長しました。ミニプログラムは、WeChat内のクラウドベースのサブアプリケーションであり、取引をシンプルにさせています。決済アプリのWeChatPayと組み合わせると、消費者はWechatアプリから離脱することなく、商品を購入することが可能です。
Snapchatもeコマースに注力しています。Snapchatの新たなダイナミック広告は、マルチメディアメッセージングアプリの豊富な製品ラインナップがあり、モバイル対応の広告テンプレートに変換します。また、決済機能を含むインフルエンサー向けのアプリもあります。Snapchatはこれまで、視聴中に買い物ができるオリジナルショー、ARによる試着機能、スキャン可能なバーコードといった取り組みを試してきました。
Cafe24は小売事業者のソーシャルコマースの可能性を広げる
こうしたSNSの取り組みからもわかる通り、ソーシャルコマースのトレンドの強さは明らかで、これは小売事業者にとっても成長のチャンスと言えます。Cafe24は店舗向けの新しいサービスやツールを利用できるように、大手及び新進気鋭のプラットフォームとの強固なネットワークを作るなど、小売事業者を支援できるよう体制を整えています。
業界全体がソーシャルコマースへ移行していますが、Cafe24がTikTokおよびYouTubeとのパートナーシップを提携することで、Cafe24を利用している小売り事業者はソーシャルコマースのトレンドに乗っかり、グロースすることができるでしょう。Cafe24のD2CストアとFacebookショップの機能統合は、小売事業者、Cafe24、Facebookの3社にとって大きな前進ではないでしょうか。
企業にとってもCafe24 Storeから得られるメリットは多いです。Cafe24 Storeには、オンラインストアの機能を拡張して、顧客のショッピング体験を豊かにするさまざまなアプリがあります。Cafe24はパートナー企業と協力して、新しい機能やソーシャルコマースサービスを迅速に展開しているので、小売事業者は鉄を熱いうちに打つことができます。
例えば、ブランドのソーシャルメディアマーケティングの取り組みを統合するサービスであるEdibotSocialが良い例でしょう。このツールは、ブランドのソーシャルメディアチャネルを統合し、管理を簡易化してくれます。企業は自社商品に関するSNSの投稿や予約投稿を素早く行えますし、消費者からの問い合わせを自動化することができるのです。
デジタルコンテンツやソーシャルメディアにおけるプロモーションにおいても、Cafe24は小売事業者に競争優位性を与える柔軟で効率的なeコマースソリューションを開発しています。また、Cafe24はネットワークパートナーとともに、自社のeコマースエコシステムを更に成長させることで、小売事業者の成功をさらに後押ししていきます。