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Cafe24とMindAd Media、越境ECエコシステムの強化に向け提携

Cafe24は、イスラエルのデジタルエージェンシーMindAd Mediaと提携を結びました。これにより、両社のECとテクノロジーのエコシステムを融合させ、ECに参入する事業者のグローバルな成功を支援します。

Cafe24のECプラットフォームは、イスラエルを拠点とするデジタルエージェンシーであるMindAd Mediaとの提携によりさらなる成長と改善を続けます。2019年以降、MindAdは急成長する韓国EC市場に注目し、パートナーを探していました。世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の中、MindAdは Cafe24のECプラットフォームを使用している複数の企業と広告契約を締結しています。MindAdは、イスラエルの技術革新をCafe24のエコシステムに導入することに大きな可能性を感じ、提携を模索したのです。

本記事では、MindAd の経営トップへのインタビューを紹介します。MindAd について、EC業界におけるイスラエルのハイテク市場の重要性について、Cafe24 との提携がEC事業者にもたらすメリットなど、詳しく語られています。インタビューには、weEndeavorのCTOであるYaniv Ben-Atia 氏、MindAdのCEOであるNir Maliar 氏、MindAdのVP of Sales and Business DevelopmentであるGillit Segev 氏が参加しました。

--MindAdはのような会社ですか?

MindAd Mediaはイスラエルに拠点を置くデジタルメディアエージェンシーです。デジタルマーケティングに関する技術、データ、クリエイティビティ、そして技術革新を通じ、企業のグローバル化支援を専門にしています。オンライン広告、オンラインショッピング、ECマーケティング技術を駆使して、クライアントの目標を達成し、パフォーマンスを高めています。

Yaniv氏「MindAdは、SNSとインターネットの発展とともに成長してきました。私たちは、自動化、データ、分析を通じて、クライアントにとって最適なソリューションを見つけることができると考えています」
Nir氏「MindAdには独自のDNAがあります。弊社の社員はサービス志向が強く、テクノロジーへの理解が深く、それを活用することに積極的です」

MindAd は、広範囲の A/B テストを中心とした方法論を採用しており、より効率的で、ROI を向上させる最適なソリューションをクライアントや代理店に提供しています。また、スタートアップ企業の新技術を取り入れることで、スタートアップ企業とクライアント双方の成果向上に貢献しています。同社はデジタルマーケティングにおいて15年以上のノウハウを持ち、ソーシャルコマースやライブコマースなどの最先端のトレンドにも対応、人工知能(AI)やビッグデータなどの先進技術の経験も豊富です。

また、ECに取り組むブランド、技術系のスタートアップ企業から大企業まで、イスラエルをはじめ世界中の優れたクライアントとともに仕事をしてきた実績があります。2007年にはFacebook、2006年にはSalesforceが買収したAIマーケティングインテリジェンス企業Dataromaのパートナーとなりました。また、Amazon、Google、TikTok、Snapchatなどのグローバル企業、NaverやKakaoなどの韓国の大企業などとも協力し、強い関係性を築いてきました。

さらに、MindAdと持株会社であるweEndeavorとの相乗関係にも、提携の重要さがあります。weEndeavor は、MindAdを含むグローバルなメディアやデジタルマーケティング企業に投資し、協力しています。

Yaniv氏「MindAdは大グループの一部です。同グループ傘下の会社では、ウィキソフトウェアを使用してインターネット・ミームなどを記録するWebサイトとして有名な『Know Your Meme』のような、ユーモアとエンターテイメント性に富んだサイトを運営しています。彼ら彼女らはインターネットの文化に詳しく、そこで今、何が起こっているかの知見があります。商品やサービスを売り込もうとするとき、どんなネットコンテンツに接続するのが適切なのかを知っていることは、とても役立ちます。これは、weEndeavorとの相乗効果の一部です」

--イスラエル市場について教えて下さい。

MindAdは、拠点を置くイスラエルの技術革新の歴史や背景、現状などに詳しく、これは同社と提携する ECパートナーにとって欠かせない、提携の決め手となり得る点です。

Yaniv氏「イスラエルには優れたスタートアップ・エコシステムがあり、多くの企業がECにより問題を解決しようとしています。私たちは、クライアントとスタートアップコミュニティの橋渡しをしたいと考えています」

Deloitte社によると、イスラエルは世界の中でも勢いのある、イノベーションとテクノロジーのハブです。国民一人当たりのスタートアップ企業数がもっとも多く、強力な研究開発(R&D)能力を持ち、最先端の技術を開発して現地のブランドを世界的に成功させるエコシステムを備えています。

EC事業者、特にD2C事業者にとって、市場がイスラエルのテクノロジーにフォーカスすることは朗報です。MindAd は、新進気鋭のブランドとスタートアップを結びつけ、新しいテクノロジーの活用を支援して、その可能性を最大化してくれます。これは、そこに関わるすべての事業者の成功につながることであるいうのが、MindAdの姿勢です。

--韓国市場に注目した理由はなんですか?

MindAdは、さまざまなグローバル市場で代理店やスタートアップ、EC企業を支援するというミッションを持ち、その一環として韓国市場に参入しました。参入前には、広く市場分析と調査を行い、韓国のEC市場の大きな成長の可能性を明らかにしました。MindAdは、その能力と経験を活かして、多くのブランドの成長を実現したいと考えています。

Gilt氏「2019年夏、私たちは韓国市場に参入するためのパートナーを探していました。当時、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、まず、現地企業と広告契約を開始しました。すると、多くの広告主がCafe24のプラットフォームをベースにしていることがわかりました。その中で、技術的な質問や解決したい問題も生じ、Cafe24に連絡を取り、協力を求めました。

私たちは、Cafe24と連携して、イスラエルのイノベーションを韓国で実現したいと考えました。MindAdはデジタルマーケティングに関する技術に精通しており、起業家やスタートアップ企業とのネットワークを持っています。これにより、Cafe24の売上を伸ばし、より革新的でクリエイティブなプラットフォームに成長させ、Cafe24のグローバル化に貢献できると考えました」

Yaniv氏「韓国市場に参入する中で、市場に既にあったスタートアップ・エコシステムに感心することもありました。先進的なスタートアップ・エコシステムなど、多くの共通点があり、私たちにとって大きなチャンスだと考えています」

また、MindAdの経営陣は、イスラエルに上陸した韓国コンテンツに注目し、今回の提携は、両国のコラボレーションの絶好の機会であると考えています。Yaniv氏によると、Kポップがイスラエルの若い人たちの間で人気を集めているそうで、また、コスメはイスラエルで一般的になっていると、Gillit氏は言います。

Gillit氏「イスラエル人は韓国のブランドに親しみを持っています。Netflixで配信されている韓国のヒット番組『Squid Game(イカゲーム)』をきっかけに、その関心は一層高まっています。

また、オンラインショッピングは、イスラエルにおいて当たり前のものとなっています。年々より多くの人がオンラインショッピングを利用するようになっており、海外のECを利用することにも慣れています。そのため、イスラエル人が韓国ブランドのECを利用する可能性は大きいのです」

--Cafe24との連携で期待できるものは?

Cafe24とMindAdは、事業者をグローバルに成功させるという共通のミッションを持ち、双方の成長の機会を広げています。

Yaniv氏「私たちは、事業者が最適な方法でグローバルに成長するのを支援したいと考えています。グローバル展開は簡単になっていますが、その分、失敗しやすいというリスクもあります。そこで、私たちの経験や過去の事例を活かし、事業者がより早くノウハウを身につけられるようにしたいのです」

両社提携の本質は、ECとテクノロジーという2つの強力なエコシステムの融合です。この提携は、双方のクライアントすべての成長をさらに加速させることが期待されます。

Yaniv氏「Cafe24のグローバル戦略とMindAdが提供できる技術やツールは非常に相性が良いものです」

--MindAdのスタートアップ・エコシステムが起業家に与える影響について教えて下さい。

MindAdの最終的な目標は、 ECを活用するブランドをグローバルな成功へ導くことです。そのために、D2Cビジネスとイスラエルのスタートアップ企業や開発者を結びつけ、さまざまなビジネスのプロセスや規模を拡大させるイノベーションやテクノロジーの導入を支援しています。

MindAdは、イスラエルの開発者と韓国のブランドとの橋渡し役として、両者の貴重なつながりを育んでいます。また、Cafe24を通じて、現地の文化や、成功が見込まれる起業モデルについて知見を蓄積しています。

Yaniv氏「開発者を集めていきなり韓国に連れて行こうというわけではありません。イスラエルにおいて、Cafe24に役立つソリューションを探すことから始めています」

Cafe24プラットフォームへの最先端ツールの統合はすでに始まっています。先日、Dialogue社のAIを搭載したパーソナライゼーション用アプリがCafe24 Storeで提供開始されました。このアプリは、クロスセルやアップセルを支援するほか、ユーザー行動に応じた商品レコメンド機能も搭載しています。

これは、はじまりに過ぎません。MindAdとCafe24は、より多くのイスラエル人開発者のリソースを得るために、すでに協議を進めています。少なくとも7社のイスラエルのスタートアップ企業が、Cafe24のエコシステムでアプリをローンチする準備をしています。

Nir氏「多くの開発者や ECのスタートアップが、Cafe24 Storeについて学び、最初に登場したアプリがどのように成功するか注視しています。彼らもまた、Cafe24プラットフォームで開発するために、自らのリソースを持ち込むでしょう」

--Cafe24とMindAdの提携が目指す今後の展望について教えてください。

Cafe24とMindAd Mediaは、それぞれのエコシステムにおいて、D2C事業者に付加価値をもたらすような、さらなる機会を互いに模索し続けています。今後、MindAdが、グローバル化を計画する事業者のマーケティングを支援することも考えられます。

Nir氏「マーケティングエージェンシーとして、事業者のグローバル化を支援し、付加価値をもたらすことは、私たちの根幹であり、喜びです」

また、MindAd Mediaは、CVに至る可能性が高い顧客の発見、ソーシャルチャネルでの広告活動サポートなど、マーケティングやさまざまな側面でテクノロジーとデータを組み合わせることで、ブランドの規模拡大をサポートし続けたいと考えています。

Yaniv氏「私たちはパフォーマンスを重視しています。私たちの強みは、事業者がプラットフォームから得られる売上の規模を拡大することです。ソーシャルプラットフォームに対しては、事業者のために売上を上げることに注力しています。多くの事業者は、世界のどこかにいるバイヤーから『あなたの商品は素晴らしい』というメッセージを受け取りたいのです。Cafe24と同様に、私たちはそういった事業者のために存在しています」

両社が協力することで、D2C起業家たちの未来は、さらに明るく開けていくのかもしれません。

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