発見型コマースとは？
発見型コマース（ディスカバリーコマース）は、企業やブランドが消費者を商品に誘導することを目的としたオンライン販売戦略です。
発見型コマースが商品との出会いを促進
発見型コマースの概念をよりよく理解するために、まずは発見型ショッピングとは何かを説明していきます。
発見型ショッピング（ディスカバリーショッピング）は、消費者が特定の目的なしにWebサイトを閲覧したり、ECモールにアクセスしたりしたときに起きます。消費者は最初にサイトを訪れた時点では特定の商品を探しておらず、購入するつもりもありません。しかし、発見型ショッピングでは消費者が企業のオンラインカタログを検索し、商品やオファーを見つけることには前向きです。プラットフォームを離れる前に、オファーなどで商品を購入するように促されることもあるでしょう。
そして、発見型コマースは発見型ショッピングのプロセスに大きく影響を受けます。この戦略は、eコマースの指標の1つである商品発見につながります。発見型コマースにより、消費者は閲覧したりオファーなどの提案を受けたりする中で、ブランドは購買プロセス中に戦略的かつ体系的に商品を紹介し、消費者に購入を促すことができます。
発見型コマースでは、消費者が商品を検索してくれるような通常のeコマースの流れではなく、商品と偶発的に出会う流れとなります。そのため、ブランドは消費者のニーズを予測し、消費者の興味をそそる適切な商品を紹介しなければなりません。
ブランドは販売戦略に発見型コマースを導入することで下記のメリットを得られます。
- ブランドの発見と消費者基盤の拡大 発見型コマースは、小規模であまり知られていないブランドの場合あっても、新規顧客と出会うのに効果的な方法です。消費者に商品を見たり試したりしてもらうことで、カタログ内の他カテゴリや他商品に興味を引かせることができます。
- カタログ評価 ブランドは、消費者の検索とやりとりに着目することで、どの商品が他の商品よりも優先順位が高いかを判断できます。これは在庫管理、需要予測、および同様の商品ラインの開発検討の際に有益です。
- ストックフローの改善 発見型コマースにより、見過ごされがちなラインナップの商品を宣伝できます。消費者が特定の商品を探しているわけではない場合、新しい商品も受け入れてくれる可能性があります。
データマネジメント：シームレスな購買体験を実現する鍵
潜在顧客が興味を持つであろう商品に誘導することは難しいチャレンジです。購入可能な商品の圧倒的な数とオンラインストアまたはECモールの全体的な複雑さが、消費者の購買体験におけるハードルになっています。ECプラットフォーム内のカテゴリ、フィルタ、または検索ツールは、消費者を混乱させ、発見プロセスを妨げ、購買プロセスからの離脱につながる可能性があります。
発見型コマースは、消費者のシームレスな商品発見と購買体験を促進することを目的としており、さまざまな商品フィルタを提供するシステムを活用して、消費者の商品検索を容易にすることが可能です。
ベストな結果を得るには、eコマースプラットフォームに商品情報の豊富なライブラリが必要であり、各カタログで多数の属性を活用する必要があります。商品のサイズと色だけでは、消費者が検索を絞り込むのに不十分です。今日、消費者は特定の商品に焦点を当てる前に、素材、デザイン、スタイル、寸法、およびその他の多くの機能でフィルタリングをします。こうしたことから、企業のオンラインストアまたは販売チャネルは、いくつかの属性の組み合わせを通じて商品をフィルタリングできる必要があるといえます。
ブランドが販売チャネルで商品発見をよりシンプルかつ正確に実現させるために考慮すべき点は以下の通りです。
- データマネジメント 信頼性の高いデータマネジメントシステムにより、ブランドは、企業がオンラインに保有する豊富な商品データを簡単に編集、更新、整理することができます。
- 検索の最適化 フィルタがけが簡単で、検索結果ページの読み込みが速くなると、商品を閲覧する際のUX(ユーザーエクスペリエンス)が向上します。一方、適切なキーワードを使用し、ウェブサイトの検索機能を最適化することで、消費者は正確な検索結果を得ることができます。
- カテゴリページ 新しいリリース、ベストセラー、ホリデーファインドなどのカテゴリを作成し、それぞれに専用のセクションを提供すれば、消費者は厳選されたコレクションから商品を探しやすくなります。
- クロスセル＆アップセル 商品のレコメンド（商品の無料提供またはアップグレードのオファー）を提供することで、消費者はブランドの商品ラインナップの中から他商品を見つけることができます。
発見型コマースのツールとしてのSNS
しかし、発見型コマースを実装できるのは、ブランド化されたWebサイト、オンラインストア、ECモールだけではありません。ユーザーが常にプラットフォームに接続しているSNSは、発見型コマースの戦略が実際に定着しているチャネルの1つです。
消費者の80％以上が、SNSで商品を発見したと述べています。特に、消費者による商品の発見は2017年以降Instagramで48％、Facebookで70％、Twitterで32％、Pinterestで29％に増加しました。これらのSNSチャネルでの商品発見が増えるにつれ、SNSは商品を消費者にプッシュする理想的なチャネルとなりました。
SNSでは、発見型コマースはコンテンツとeコマースをシームレスに統合し、消費者に新しく魅力的なオンライン購買体験を提供します。ブランドは、高品質なコンテンツに対する消費者のニーズに対応し、動画や画像で関心を引き付けることができます。同時に、チャンネルを閲覧しているだけの消費者に対し、上述のようなコンテンツを活用して商品紹介をすることができます。
コンテンツ経由での購買は、発見型コマースをさらに発展させ、企業の収益を増加させます。このようなタイプのコンテンツにより、ブランドは魅力的かつ有機的に商品を紹介できるでしょう。同時に、SNSチャネルを、よりアクセスしやすい決済オプションを備え、パーソナライズされた「ウィンドウショッピング」会場としても捉えることができるようになっています。
発見型コマースの導入を支援するCafe24
Cafe24は、ブランドが期待するような発見型コマースの提供を実現させます。Cafe24は、D2C（Direct-to-Consumer）プラットフォームと、パートナーネットワークを通じて幅広いソリューションを提供しており、あらゆる規模の企業がシームレスな発見型コマース戦略を促進できるようサポートしています。
Cafe24には、D2Cサイトの検索システムを強化する機能「商品キュレーション」を提供しています。これによって消費者は、スタイル、色、素材、価格などのフィルタを使用して、商品をすばやく見つけることができます。また、AIを活用したカテゴリ別の高度な検索フィルタの自動補完も利用可能です。さらに、ハッシュタグベースの商品表示やスマートハッシュタグ設定などのサービスにより利便性を向上させます。
またCafe24は、ブランドがターゲットオーディエンスに商品を強く露出し、プッシュすることもサポートします。Cafe24は、Facebook、Instagram、Twitter、PinterestなどのSNS企業と協力して、ブランドや商品をユーザーに露出しています。さらに、これらのパートナーシップは、SNSでの発見から始まり、D2Cサイトでの購入まで、消費者にシームレスな購買体験を提供することにつながっています。
Cafe24のD2C事業者は、こうしたパートナー企業が提供する一連のコンテンツ、マーケティング、セールス、およびその他のeコマースツールとサービスを利用できます。例えば、Cafe24加盟の小売事業者は、リアルタイムのデータ統合を使用してオンラインストアフロントとFacebookショップを管理することが出来ます。
小売事業者は、Cafe24 Storeのさまざまなアプリを利用して、発見型コマースをより組織的に実装できます。一例として、データ分析ツールのSERA（Specialized and Enhanced Realtime Admin）があり、ビッグデータを活用して、消費者がD2Cサイト内の過去および現在のアクティビティに基づいてより多くの商品を発見できるようにするサービスです。
進化するテクノロジーを通じて、Cafe24はブランドがセールスおよびマーケティング戦略において従来以上のものを実行できるようサポートしていきます。Cafe24は一連のソリューションを導入して、消費者をブランドに呼び込み、商品が潜在顧客と出会えるようにし、それがインスピレーション時点であっても発見型コマースを強化していきます。