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コロナ禍がサブスクリプション・エコノミーに与えた影響とは?

新型コロナウイルスの影響により、消費者が急激にオンラインショッピングを利用し始めたことで、商品やオファー、価格など一人ひとりにあったものを提供する必要が出ています。オンライン・サブスクリプション・エコノミーはこうした変化にどのように対応しているのでしょうか。

Source: Gettyimagesbank

世界的なパンデミックは、人々の日常生活に様々な変化をもたらしました。ソーシャルディスタンスが求められる中、多くの人がオンラインサービスを利用して多様なニーズを満たしています。eコマースを利用する際、私たちは、どこで、何を、どれだけ購入するかを自分自身で決められるようになりました。このような購買行動の変化にともない、各業界では収益向上のために、様々なオンライン戦略が導入されています。その一つが、サブスクリプション・エコノミーへの移行です。

新型コロナウイルスによって、厳しい状況下にある消費者は、余計な支出を抑えたいと思っています。そういった消費者のニーズが、サブスクリプション・エコノミーの急速な成長に表れているのです。3ヶ月先、あるいは1年先の支出の見通しが立てられることは、今日の消費者にとって魅力的なことでしょう。このような需要の高まりが、サブスクリプション・ビジネスの追い風となっています。サブスクリプション(定期購入)には、無料配送やセット販売、割引などの特典が付いていることが多いため、コスト意識に敏感な消費者にとっては、この購入方法は非常に魅力的なものとなっています。新型コロナウイルスが依然として世界中の経済活動に危機をもたらしている中、デロイトの専門家は、サブスクリプション・エコノミーへの移行が今後も加速していくと考えています。

コロナ禍で成長するサブスクリプション・コマース

パンデミックの影響で、多くの企業が営業を停止し、産業が低迷しましたが、サブスクリプション・エコノミーは活発に動いています。Zuora社が2020年6月に行ったサブスクリプション・エコノミー・インデックスという調査によると、サブスクリプション・エコノミーがS&P 500や米国の小売売上高を上回ったことを示しました。S&P 500が10%縮小したのに対し、サブスクリプション・ビジネスは12%増加したのです。

世界的なパンデミックが経済に影響を与え続ける中、サブスクリプション・ビジネスはあまり大きな影響を受けていません。COVID-19 Subscription Impact Reportによると、サブスクリプション・ビジネスを提供している22.5%の企業が顧客獲得率を伸ばしています。また、55.3%の企業はビジネスに大きな影響を受けなかったことがわかりました。ビジネスが縮小したのは、主に旅行業や接客業の企業でしたが、これは検疫措置を考えると想定内のことといえます。

英国では、eコマースで買い物する人の44%がサブスクリプションサービスを利用しています。これは2019年の34%から10%増加しています。買い物客は平均して月に3回の定期配送を受けており、食品、グルーミング用品、衣料品などが人気を集めています。パンデミックによる様々な課題や消費者行動の変化があるにもかかわらず、サブスクリプションサービスのトレンドは衰えていません。サブスクリプションサービスは、そのビジネスモデルの認知度と利便性を求める消費者の声が相まって、ますます人気が高まっています。

サブスクリプション・ビジネスの特徴

Source: Gettyimagesbank

サブスクリプションモデルの企業は、既存顧客のサービス継続率を維持し、顧客生涯価値(LTV)を向上させるために、様々な戦略をとっています。それによって、良い循環を生み出し、成長し続けることができるのです。このため、サブスクリプションモデルの企業は、現在のeコマースに求められていることに迅速に適応できています。

「新型コロナウイルス」の状況で変わりゆく顧客ニーズに、柔軟に対応をできるかどうかが、サブスクリプション・ビジネスにとっての昨年の課題でした。課題解決のため、商品バンドルの作成、価格プランの導入やプロモーションの提供など、迅速に取り組んだのです。サブスクリプション・ブランドは、支出の増加につながるような商品やサービスを開発するのではなく、新たな購買行動に基づいて既存の商品を再パッケージ化できたのです。サブスクリプション・ビジネスは、定期的に特定の商品を購入してもらえるため、顧客の好みを特定できるという利点があります。そのため、顧客の好みに合うブランドや商品を適切にレコメンドできるのです。パンデミック中はウィンドウ・ショッピングがほとんどできなくなっているため、サブスクリプションボックス(頒布会)がその代わりとなっています。

サブスクリプションを利用したい事業者を支援するCafe24

新型コロナウイルスはパンデミックを引き起こしましたが、小売業やeコマースの状況変化に適応するためのビジネス構築力が重要であることを強く感じさせました。サブスクリプションは、企業が収益を上げるための一つの手段といえます。サブスクリプションビジネスモデルの成功は、顧客データに大きく依存しています。D2Cブランドは、このデータを所有することで、顧客のパーソナライズとリテンションを可能にします。顧客データを利用することで、個人の需要や支出に応じて定期購入のオファーをパーソナライズすることができ、リテンション率の向上につながります。

Cafe24のD2Cモデルは、サブスクリプションサービスを提供したいと考えている事業者を成功に導いてくれるものでしょう。このeコマースプラットフォームは、ECサイトの開設やサブスクリプション・コマースを含むビジネス機能の開発に必要なあらゆるツール、システム、技術を提供しています。Cafe24では、事前に設定した間隔で定期的に支払いや商品の配送を行う「定期購入サービス」を提供しています。これにより、新規および既存のD2Cブランドは、簡単かつ迅速にサブスクリプションサービスを構築できるのです。

このようなサブスクリプションに最適化された機能により、小売事業者は顧客に優れた購買体験を提供することができます。その結果、事業者は、運用コストを軽減し、オファーを向上しながら、顧客ロイヤルティと収益を向上させることができます。

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