チャット(会話型)コマースは、チャットツールを使用して顧客をリアルタイムでエンゲージさせ、購買プロセスをサポートしてくれるものです。
チャットコマースの説明
Uberのクリスメッシーナ氏は2015年にチャットコマースという言葉を流行らせました。彼は「チャットコマースとは、移動中であっても、利便性、パーソナライズ、意思決定のサポートを提供してくれるものです」と述べています。
マルチチャネルマーケティングの1つであるチャットコマースは、チャットとショッピングが組み合わさったもので、ブランドと消費者がオンラインチャットを通して、直接コミュニケーションをすることです。顧客はブランドにオンラインチャットにてメッセージを送り、商品の在庫状況や特定の商品に関する詳細情報、実施中のオファー、およびその他のサポート内容について問い合わせることができます。
小売事業者は、チャットコマースによって、リアルタイムの会話、または自動応答で顧客対応が可能です。その結果、顧客は待たされることなく必要なサポートを受けることができます。
チャットコマースの実行
チャットコマースのツールは、テクノロジーの発展に伴い進化してきました。それにより、D2C(Direct-to-Consumer)ブランドは新しいオンラインショッピングのトレンドに適応しています。
以下は実際のチャットコマースの例です。
ライブチャットエージェント
Kayakoの調査によると、顧客はブランドとの即時かつ個人的なコミュニケーションをとることを重視しており、41%がライブチャットでのサポートを希望しています。
ブランドはライブチャットエージェントを活用することで、マーケティングおよびサポート戦略にさらに個人的な接点を加えることができます。このインタラクティブなアプローチは、実店舗で顧客をサポートする営業担当者のような機能を果たし、オンラインショッピングに人間的な側面を加えるのです。
ライブチャットエージェントは、顧客に詳細な情報を提供し、見込み客をコンバージョンさせます。複雑な商品をオンラインで販売する企業にとって非常に役立つでしょう。顧客は、購入する前に、複数の機能を備えた商品について詳しく知りたい傾向にあるからです。
そのため、Appleなどの電子機器ブランドはライブチャットオプションを提供しています。Appleのエキスパートエージェントは、可能な限り多くの情報を顧客に伝え、最終的に売上につながるような高いレベルの接客をしているのです。
チャットボット
チャットボットは、人工知能(略してAI)を活用して、配達や返金に関する問い合わせ、およびその他のよくある質問に答えます。それ以外の機能としては、フィードバックの収集や、クロスセルおよびアップセルの促進が挙げられるでしょう。
SephoraやWhole Foodsなどのブランドは、チャットボットを活用して顧客に補完的なコンテンツを提供しています。レシピのアイデア、メイクのチュートリアル、仮想現実での試着体験、および購買体験に付加価値を与える情報を共有しています。
チャットボットは通常、Slack、WhatsApp、LINE、Facebook Messengerなどのメッセージングアプリケーション上にあります。Facebook Messengerだけでも、30万を超えるアクティブなチャットボットがあるのです。
チャットボットのテクノロジーが普及するにつれて、消費者はオンラインショッピングに慣れてきています。今や買い物客の47%がチャットボットから商品を購入することに抵抗がなくなってきているのです。
音声ショッピングとバーチャルアシスタント
バーチャルアシスタントを通じた音声ショッピングも、チャットコマースの1つです。最も人気のあるバーチャルアシスタントはAppleのSiriですが、他にもGoogleアシスタント、Cortana、Alexaなどがあり、オンラインショッピングをはじめ、様々なタスクで利用されています。
消費者の約47%は、生涯に少なくとも一度は、AIバーチャルアシスタントを使用して、音声コマンドで買い物をしたことがあるといわれています。また、33%が少なくとも月に1回購入しているという調査もあります。
D2Cブランドへのメリット
チャットコマースはまだ初期段階にあります。それでも、アーリーアダプターはそのメリットを示した後、広くほかの人からも採用されるよう先を歩んでいます。
チャットコマースがブランドを競争上の優位性に導く重要性は次の通りです。
カスタマーエクスペリエンスを改善させる
eコマースブランドは、国境やタイムゾーンを超えた顧客に対応しています。メッセンジャーとチャットボットの活用により、小売事業者は営業時間外でも消費者とつながることができます。
つまりチャットコマースによって、ブランドは24時間体制で顧客サポートを提供できるようになります。チャットボットとリアルタイムメッセンジャーは、潜在顧客に自分で答えを検索させたり、営業開始時間を待つのではなく、購入プロセスに沿ってボットを動かしたりすることが可能です。
カスタマーサポートを受けるための待ち時間をなくすことは、カスタマーエクスペリエンスの改善につながるのです。
売り上げを伸ばす
2020年の業界全体の平均カート離脱率は88.05%でした。チャットコマースは、消費者にリマインダーや割引オファーを通じて決済プロセスを完了するために絶妙なプッシュをしてくれます。一部のブランドでは、チャットチャネル内での支払いを許可することで、消費者の購入を後押ししています。
さらに、チャットコマースにより、小売事業者は顧客と関わりを深め、クロスセルやアップセルの余地を作ることができるのです。
業務の自動化を進める
チャットコマースにより小売事業者は、単調で繰り返し行う必要があり、時間のかかるタスクを自動化できます。自動化できるタスクの例としては、FAQへの回答、更新情報の提供、フィードバックの収集などが挙げられます。
AIと自動化により、小売事業者は、個別に注意しなくてはならない顧客との会話など、他のタスクを実行することに時間を割くことができるようになります。
チャットコマースの一部を自動化することは、限られた人員とリソースで運営されているD2Cブランドにとって特に有益です。
また、チャットツールは最小限の投資でビジネスを拡大する助けとなるため、新しい市場に進出するための費用対効果の高い手段となるでしょう。
チャットコマースの導入を支援するCafe24
Cafe24を活用すればさまざまなツール、サービス、およびパートナーシップを通じて、チャットコマースを導入することができます。
Cafe24のグローバル顧客管理サービスは、Channel Corporationのチャネルトークと統合されたチャットボットテクノロジーを組み込んだメッセンジャーベースのソリューションであり、リアルタイムのコンサルティング、自動化されたFAQ応答、購入情報の追跡など、アクティブなカスタマーサポートを提供可能です。
また小売事業者は、V Review(Vレビュー)を使用して有意義なフィードバックを集めることが可能です。これはCafe24ストアで利用できるカスタマーレビュー機能であり、チャットボットを使用して、買い物客が商品を購入した後に動画レビューの投稿を行うように促します。
Cafe24とSNSプラットフォームの統合により、小売事業者はチャットコマースツールを容易に利用できるでしょう。Facebookショップとの統合により、Cafe24加盟の小売事業者はSNSプラットフォームで顧客とコミュニケーションを取る際にFacebook MessengerとInstagramのDM(ダイレクトメッセージ)を使用できます。
チャットコマースやその他のトレンドがオンラインショッピングの展望を変えていく中、Cafe24は今後も、そうした市場の変化に対応するために必要なすべてのツールとサービスを小売事業者に提供していきます。