消費者と購入者の信頼に影響を与えるカスタマーレビューやユーザー投稿を活用したコンテンツを使用するブランドはマーケティングおよび販売戦略の改善が期待されます。
昨今の接触が限られている状況下で中小企業は、オンラインツールを利用して顧客にアプローチし、ブランドの認知度を高めています。パンデミックとなってから、約34%の企業がウェブサイト、ソーシャルメディア、チャット・インスタントメッセージ、マーケットプレイスなどのデジタルシフトが増えています。
FacebookのStateof Small Businessの報告によると、現在中小企業の57%がソーシャルメディアを使用して商品を販売しています。興味深いことに、この数字は口コミに依存するの59%に次ぐものです。
口コミマーケティングは常に小売業において大きな影響力を持つようになりました。おすすめに関して購入者の81%は、有料広告やブランドが配信するコンテンツより家族や友人のアドバイスを信頼しています。カスタマーレビューは、口コミマーケティングのオンラインバージョンとして機能します。カスタマーレビューやその他のユーザー投稿コンテンツは、消費者の信頼と購入者の信頼に直接影響します。購入者は、商品やブランドに関するレビューが見つからないと購入に至らない場合もあるでしょう。このように、オンライン小売におけるユーザー投稿コンテンツの重要性を強調しています。
様々なタイプのユーザー投稿コンテンツと活用法
インフルエンサーマーケティングプラットフォームZINEのマーケティングエグゼクティブであるJordie Black氏は、「多くのEC発ブランドは、マーケティング活動をサポートできる十分なコンテンツ作成ができない点など課題を抱えている」と述べています。
すべての中小規模企業が人材や資金状況の制約に拘らず、消費者の印象に残るブランドとして訴求できるコンテンツ配信能力を持っているわけではありません。一方で良いニュースは、ユーザー投稿コンテンツはブランドのマーケティングツールとして利用できる強力な戦略であることが証明されていることです。
ユーザー投稿コンテンツ例と、ブランドの活用事例について紹介いたします。
1. カスタマーレビュー
顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)は、企業の投稿より重要であると認知されており、家族や友人からのおすすめと同等に消費者の79%がオンラインレビューを信頼しています。人々が商品やサービスを保証する際、ブランドはその提供に正当性を加えることができます。顧客によっては、自身のショッピング体験を共有したいという考えがあり、他の消費者はそれを理解しています。ブランドが顧客と良い関係を築くことができれば、長期的にはより多くのターゲット層から信頼を得ることができます。
2. 写真レビュー
実際購入にした顧客からの写真や動画の場合、他の消費者にも有益な情報を提供します。買い物客は、事業者のネットショップで高品質な画像と動画を期待しています。写真や動画で顧客のリアルなレビューを見ることで、実際の商品がどのように見えるか、商品の梱包状態の良さなどの情報を得ることができます。
このようにユーザーが投稿したコンテンツの活用に成功したブランドは、紳士服ブランドのSiiiidoです。顧客は普段着の写真を投稿し、ネットショップのコミュニティページを通じてコミュニケーションをとっています。同社は、顧客とのコミュニティに参加し、レビューに返信を行ったり顧客からのフィードバックにも対応しています。顧客からの意見は会社にとって非常に価値があることを顧客へも伝えています。
ユーザーの写真を活用したい事業者は、アプリストア「Cafe24 Store」でReview de Talkをインストールできます。アプリをインストールすることで、顧客は商品を評価し、購入の写真を投稿することでレビューを残すことができます。このアプリを使用しているネットショップでは、レビューが1500%増加し、売上が8%増加しました。
3. 動画レビュー
State of Video Marketingは、84%の人がブランドの動画を視聴した後、商品またはサービスを購入したと報告しています。まだ動画コンテンツを継続的に作成できないスタートアップ、個人事業主、中小企業の場合、ネットショップにソーシャルビデオ投稿を埋め込むことは、顧客の集客に役立ちます。
ユーザーが作成した動画コンテンツを利用したい事業者は、Cafe24 Storeで利用できるカスタマーレビュー機能「V Review(Vレビュー)」を使用できます。ネットショップから商品を購入する際、顧客に動画レビューを促すためにチャットボットを使用しています。レビューは商品詳細ページに組み込まれます。 同サービスを導入したIndent Corporationの場合、サービス開始以来、1,000万人以上の買い物客がVレビューを通じて動画を視聴したと述べています。動画レビューはショッピングカートのコンバージョン率を14.7%向上させるほどの機能があると説明しています。
ユーザー作成のコンテンツ活用の重要性
肯定的な口コミコンテンツは、リピーターや売上げの増加、購入者からの信頼アップにも繋がる可能性があります。ユーザー作成のコンテンツをうまく買うようする企業は、自社ブランドにより付加価値をつけることができます。
消費者の信頼を構築することに加え、カスタマーレビューはブランドが顧客関係を確立するのに役立ちます。企業は、顧客のフィードバックに対応しながら顧客に重要性を示すことができます。その後、事業者はレビューを使用して商品の品質や運営効率も改善することができます。
コーヒーブランドBrownbag Coffeeは、カスタマーレビューを分析することは、ルーティンワークであると述べています。同社は毎日レビューを確認し、四半期ごとにすべてのレビューを分類し、データ分析を行うことでコーヒーの品質を継続的に改善しています。Brownbag Coffeeは、顧客からのフィードバックをどれだけ重視しているかをさらに認識してもらえるように、商品詳細ページにいくつかのレビューを掲載しています。例えば、コーヒードリップバッグを開けるベストな方法や、自動コーヒーマシンで最も効果的に機能する商品ついて顧客からの提案が商品の使用方法として取り入れられています。
GlobalWebIndexによるとインターネットユーザーの47%は、商品やブランドなどサービスに関するレビューを毎月投稿しています。企業は、アンケート実施、購入後にメルマガ配信やフォローアップしたり、チャットボットを使用してユーザーにレビュー投稿を促すことができます。また、レビュー投稿をした顧客にインセンティブを与える報酬システムを設けることもできます。
ユーザーが作成したコンテンツを活用することで、企業は顧客とよりよい関係を築ぎ、最終的にビジネス成長を目指すことができます。