D2Cは、昨今Eコマースにおいてトレンドになっています。EC業界のD2Cへの移行は、EC先進国とも呼ばれている韓国の電子商取引市場を見ると説明できます。
データから見る韓国EC市場の変化
Eコマースとは何でしょうか？少し前までは最初に思い浮かぶのはオンライン市場でした。 アマゾン、アリババ、淘宝網、他のマーケットプレイスは、販売価格の比較が簡単で、実店舗に比べて種類も豊富なため、小売販売市場を独占していました。
しかし、近年はEコマースの流れが変化しています。多くのブランドが、主要販売チャネルとして独立したオンラインストアを立ち上げています。ブランドはアマゾンのような仲介者なしで消費者に直接販売するこの形の販売手法は、[直接販売」（D2C）と呼ばれます。 D2Cの台頭はEコマースが世界のどこよりも速く進化している韓国で特に顕著に表れています。
韓国統計局によると、韓国のオンラインアパレル、靴、バッグ、アクセサリー、ファッションアイテムの市場全体におけるD2Cブランドの割合は増加しています。2017年、D2Cは市場の35.1％を占め、2018年には38.1％に、2019年上半期には38.4％に上昇しました。ファッションD2Cブランドの総商品価値（GMV）は、2017年の52億ドルから26.3％増加しました。2019年前半のGMVは34億ドルを記録し、継続的な成長を遂げています。
韓国で最も成功している第一世代のD2Cブランドは「Stylenanda」です。2018年、同社のファッションとコスメブランドは5億ドル以上でフランスの化粧品会社大手ロレアルに買収されました。女性のアクティブウェアブランドを展開する「Andar」、メディアコマース会社「Blank Corporation」などといった創業して間もないブランドは、過去2〜3年で急速に拡大をおこない、現在KOSDAQで上場する準備をしています。D2Cの台頭は韓国だけの現象ではなく、世界中で見られます。
D2Cがeコマースの未来である3つの理由
eコマースの進化により、より多くのD2Cブランドが出現しています。
市場間の激しい競争は通常、価格戦争が中心とされています。これは、商品の選択に直面しているほとんどの消費者が価格に基づいて購入の意思決定を下す傾向があるためです。年間を通じて開催される様々なイベントやプロモーション設定など消費者を魅了する運営を行う一方、ショップオーナーは価格を気にすることなく自由な発想で運営することが難しく厳しい局面にあります。
自分のD2Cショップを構築しようと決めたショップオーナーは、自身のペースで運営を行うため価格競争から離れているように感じられます。自社運営を行うネットショップは、消費者の心を掴むストーリーと効果的なプロモーションの自由をショップオーナーへ与えました。D2Cにおいて価格戦争は他社と差別化できる手段ではなくなりました。
D2Cは、中小企業や大企業がデジタルビジネスへの移行を成功させる足掛かりにもなります。データは販売商品と市場の適合性を図る際、最適なマーケティング戦略を考えるためデジタル環境では不可欠な要素です。例えばAmazonのようなECモールでは出店者へデータ提供されることは殆どありません。しかし、独立した自社サイトを運営することで、ショップオーナーはネットショップから生成される全てのデータの閲覧が可能となります。
自社サイト運営では、デジタルマーケティングに力を入れる必要があります。ショップオーナーは、ブランドの認知度を高め、商品購入ページへのトラフィックを増やすためにTwitter、Facebook、Instagramなどのソーシャルメディアを駆使しなければなりません。ECモールでは管理者画面にある機能だけを使い、高いコンバージョン率を期待することは難しい現状があります。したがって、より多くのブランドや企業がブランドアイデンティティを効果的に紹介できるD2Cのビジネスモデルにて自社サイトを運営することを選択しています。
D2Cへのスイッチを牽引するプラットフォーム「Cafe24」
D2C運用をサポートするECプラットフォームは変化するEC業界に影響を与えます。Cafe24はネットショップ構築から広告・マーケティング、配送などEC運営に必要な様々なサービスを提供しています。つまり、Cafe24は最小限の資金によりD2Cブランドを立ち上げられる環境を提供していることになります。その結果、多くのD2CブランドはCafe24のようなECプラットフォームで始まり、スケールアップしています。