新しい消費者世代の出現は、長年の保守的なラグジュアリー市場に変化をもたらしています。デザイナーズブランドはEC化に取り組み、リコマースは急成長を遂げています。
ラグジュアリーブランドにおいてミレニアル世代とZ世代は重要な消費者
ラグジュアリー市場は、衣料品、時計、宝石、香水などの商品を数千から数十万ドルで販売しており、長い間市場変化が遅れています。グローバルコンサルティング会社のBain＆CompanyによるとConsulting Group、2018年のラグジュアリー市場のEC普及率は10％に過ぎませんでした。これまでの高級小売店の維持は、LVMHのような一握りの大企業が王として帝国に君臨したことによるものです。長い間、これらのコングロマリットは、価格と流通チャネルをしっかりと維持していました。
しかし、近年のミレニアル世代（1989年～1995年に生まれた世代）とZ世代（1990年代後半～2000年に生まれた世代）が、ラグジュアリー市場の新しい消費者として台頭しています。18歳から37歳の高級品に対する支出は、2018年の全体の33％を占め、2025年には55％に成長すると予想されています。
ミレニアル世代とZ世代は高級品に対して同じ意識を持っているようです。若い世代にとって、デザイナーズブランドのアイテムは自己表現の一つです。商品購入をする際に、ソーシャルメディアで自慢できる流行のアイテムを選びます。ただし、ラグジュアリーブランドの商品購入には高額な価格が付きものです。その結果、収入の少ない若い消費者は、さまざまな販売チャネルを探すのに時間を費やし、購入が可能なブランドアイテムを探しています。新しい消費者は、所有者や商品が新しいものかどうかは重視していません。中古品の購入やレンタルサービスの利用を躊躇うことはありません。
ECとリコマースが勢いを増すにつれ起こる変化
変化する消費者の行動は、当然のことながら高級小売店へ影響を及ぼしています。最も明白な変化はデジタル化です。Bain＆Companyは、2025年までに市場のEC普及率が25％に成長すると予測しています。市場自体は毎年3〜5％のペースで成長し続けますが、オンラインのGross Merchandise Volume（GMV）は、年間平均約20％で成長すると予想されています。
新世代の購買行動を取り入れたプラットフォームも急成長しています。これには、公式ネットショップでは入手できない商品を購入できるようにする中間オンラインプラットフォームや、ユーザーがデザイナーズブランドの中古品を購入または再販できるようにする再販（リコマース）プラットフォームが含まれます。
ミレニアル世代とZ世代は、ラグジュアリー市場でアクティブな消費者となり、ペルソナを反映したデザイナーズアイテムを入手するためにこれらの新しいチャネルを活用し、新しい商品購入するために再販しています。Boston Consulting Group（ボストンコンサルティンググループ）は、世界のラグジュアリーリコマース市場が年平均12％成長し、2021年までに360億ドルに達すると予測しています。