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越境ECに成長機会を見出す小売事業者たち

新型コロナウイルスは、世界中の人々の生活を一変させました。様々な産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進させ、とりわけeコマースの成長を加速させました。「コンタクトレス(非接触型)コマース」において、Cafe24はコマースと小売業で起こるニューノーマルに注目しています。

Source: Gettyimagesbank

テクノロジーの発達により、世界中の人々が簡単につながれるようになり、物理的な距離が近いことで得られる優位性が減ってきています。また、コミュニケーションはシームレスに行えるようになり、情報の流れを迅速にキャッチでき、グローバルオペレーションをスムーズに行えるようになっているのです。越境ECも、テクノロジーの繁栄とともに近年急速に成長しました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、あっという間に距離があった頃に戻ってしまいました。各国の政府が旅行や貿易に制限をかけ、商品の輸入に新たな制限を設けたのです。

消費者にとって、eコマースは最も安全な買い物の手段となっています。オンラインプラットフォームを利用することで、小売事業者は今までの顧客へオンライン上でサービス提供を行え、新しい顧客の獲得にもつなげられるようになったのです。また、企業の規模に関わらず、オンラインプラットフォームが海外市場への参入を容易にし、国境を越えて企業を成長させる機会を提供しています。

国境を越えたネット通販が活発に

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ロックダウンが解除されても、人々は外に出て実店舗で買い物をすることに抵抗があります。しかし、多くの人は海外のオンラインショップで購入することには抵抗がありません。2020年には、32%の消費者がパンデミックの影響で海外から商品を購入することが増えたと回答しています。一方で、将来的に、51%の消費者が越境ECで更に買い物をする予定だと答えました。また、越境ECで高級品を購入する人は、2020年の1月から6月にかけて、185カ国で17.5%も急増しています。

ここ数年、越境ECを活用する人は着実に増加しています。その理由の一つは、海外旅行が制限されている現在、消費者が現地では入手できない商品を手に入れたいと考えているからです。また、同じ商品を海外からであればより安く手に入れられる、コスト削減のニーズもあります。

世界的な越境ECの増加は、コンテンツの多言語対応や物流の改善、現地に合わせた支払い方法が増えていることによるものだと言えるでしょう。高度な物流システムにより、追跡情報の反映や、消費者へいち早く海外からの荷物を届けることができています。また、国内外をカバーするサードパーティ・ロジスティクス(3PL)のおかげで、効率的に配送ができるようになり、料金も手頃であることから、事業者を後押ししています。

デビットカードやクレジットカード、PayPal、現地の決済代行会社などを導入しているオンラインショップは、グローバルで安全に決済できるため、より多くの買い物客に利用されやすくなります。Baymard Instituteによると、決済時にカートから離脱する理由のトップ10の中に、利用したい決済方法がないことが挙げられています。

ソーシャルメディアやネットショップなど複数チャネルに掲載されている商品情報によって、消費者は購入する前にどんな商品であるかをよく知ることができます。また、正確かつ自動的に翻訳される現地語対応が向上すると、海外の消費者へよりアピールできるようになります。このように、個人が海外で商品を購入することが、ますます簡単で便利になっていき、広がっていくのです。

すべての人に越境ECを

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越境ECは継続的に拡大しています。2024年には2兆ドルを超える規模になると予測されており、世界のeコマース流通額全体の45%を占めています。パンデミックの際には、多くの実店舗が事業を継続するために、ビジネスをオンラインに移行しました。そして、パンデミック時に国際市場を開拓できたブランドは、越境ECで大きく成長しています。その例として、米国のとあるブランドでは、グローバルな顧客向けにオンライン販売を行い、2020年6月初旬に2019年年間流通を上回る106%の売上増を達成しました。

越境ECに取り組むことで、ブランドの潜在的な顧客層が拡大し、大きな成長の機会を得ることができます。また、異なる地域の新しい市場に参入することで、新しい環境でテストを行えるため、従来の市場以上にポテンシャルのある市場へ参入する柔軟性を持てるのです。これは、経済的、政治的、健康的な要因の変化によるリスクを軽減するものであり、将来的にも持続可能な優れた戦略といえます。

これまでは、大手企業でなければ越境ECに取り組むことはできませんでした。一方、中小企業は、海外の顧客を獲得するためにオンラインマーケットプレイスを介して販売する必要がありました。今日では、小売事業者が主導的にビジネスを行えるD2C(Direct to Consumer)オンラインプラットフォームを利用することで、あらゆる規模の企業が世界中の顧客に直接アプローチすることができます。

D2Cでは、小売事業者が、マーケットプレイスや大手企業が提供するシステムと同じ品質のサービスを顧客に提供することができます。このモデルのプラットフォームは、ハイパーローカリゼーション(1つのプラットフォーム上で多言語対応を行うこと)をサポートできることが多いです。また、ハイパーローカリゼーションにより、現地に合った決済方法、正確な価格設定、現地の物流、カスタマーサポート、シンプルな返品プロセスのようなサービスを、消費者に提供することができるのです。

さらに、D2C事業者は、店舗のデータを直接管理できるため、顧客との関係を管理することも可能になります。これにより、マーケティング戦略をローカライズしたり、地域の状況に合わせてストアのUIを調整したりすることで、より多くの売上を伸ばせるようになるでしょう。

ハイパーコネクテッド・ネットワークが越境ECを最適化する

Cafe24のD2Cソリューションは、物流、店舗開発、カスタマーサービス、マーケティングなど、eコマースに関するあらゆるニーズを1つのプラットフォームで提供しています。さらに、Cafe24のインフラは、開発者、配送業者、卸業者、マーケティング担当者など、事業運営に欠かせないパートナーとのハイパーコネクテッド(あらゆるものがつながる)・エコシステムに投資をしているのです。

Cafe24は、長年にわたって国内外のパートナーやプラットフォームのネットワークを着実に拡大してきました。2020年には、エコシステムの拡張、地域別プラットフォーム、主要なパートナーシップの立ち上げを通して、グローバルビジネスを加速させました。継続的に新しい市場に参入しており、日本、ベトナム、フィリピンでプラットフォームを立ち上げています。同社は、より多くの国に進出し、世界中の誰もがEC事業者として誰にでも販売できるようになることを目指しています。

最近では、ソーシャルメディアの最大手であるFacebookとも提携し、「Facebookショップ」の取り組みを行っています。Facebook社のECプラットフォームパートナーであるCafe24は、Facebookの33億人のユーザーを活用することで、加盟店のグローバル市場での成功を加速させます。また、Cafe24は、物流、マーケティング、販売において、より多くのeコマースサービスプロバイダーと協力しています。その他のパートナーとしては、Google、Baidu、TikTok、Amazon、Tmall Global、Lazada、PayPal、Alipay、Softbank Payment Service、EMSなど、多岐にわたります。

Cafe24を中心とし、多岐に渡って拡大するエコシステムにより、事業者は国境を越えてシームレスに商品を販売することができます。ネットショップの事業責任者は、顧客とブランドにより集中することができ、グローバルな環境で成功を収められるのです。Cafe24のプラットフォームを活用して海外市場で成功を収めた先駆けとなる企業の良い例がStylenandaです。また、化粧品ブランドのSister Annは、Cafe24の世界的なパートナーネットワークを活用しており、特に最近ではFacebookショップとの統合により、海外展開を進めています。

COVID-19以降も、非接触型であることは、ビジネスプロセスにおいて今後も考慮すべき点になるでしょう。しかし、非接触型であることが、国境を越えてつながる組織力の弊害とはなりません。ハイパーコネクテッドな環境で培われたD2Cやeコマースは、グローバルなシーンで新たな消費者を獲得できるような環境づくりを進めています。

① パンデミックの中で生まれる新しい経済
② オンラインショッピングではAR・VR体験が主流に
③ パーソナライズが今後のコンタクトレスコマースの要に
④ 越境ECに成長機会を見出す小売事業者たち
⑤ 次世代ECとなるソーシャルコマース・ライブコマース
Cafe24とのパートナーシップが事業者成功のカギ